CADで屋根を作図する際の作成
建物を構成するものの一つに、屋根が挙げられます。ただ、一口に屋根と言っても瓦葺き・トタン・スレート・セメントといった材質、切妻・片流・方形といった形状など様々な
パターンがあります。このため、一般的には屋根材メーカ無料で公開しているCADデータを使うことが多いかと思います。また、建設現場でも建築図作成においては屋根材を納入
する業者に依頼して図面データを提出してもらうことが一般的です。
ただ、一軒家などの戸建てについては施主がデザインにこだわる場合が多く、その場合は建物の構成品からオーダーメードで図面化する必要が生じます。
そこで、CAD上で一から屋根を作図する手順について説明させていただきます。
作成の手順
まず初めに、屋根は建物の屋根スラブに取付けます。ここでスラブとは、直上階の床のことを指します。(最上階の屋根は、屋上の屋根スラブに取付けます)
CADでは、ポリラインを用いて屋根スラブを表現します。
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屋根スラブを配置する場所に、希望する形の閉じたポリラインを作成
1 で作成したポリラインのうち、使用する屋根スラブを選択したツールパレットを開く
ツールを右クリックして「ツールプロパティの適用先」から「線図、壁、および屋根」の順にクリックしてゆく
4. 閉じたポリラインを選択してEnterを押す
5. 画面上のポリラインに対して同様の作業を行う。この際ポリラインを残す場合はn、ポリラインを削除する場合は y を入力する
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モードを指定する。(d と入力した場合、ポリラインの頂点がスラブ又は屋根スラブの外周の頂点になり、ツールプロパティで指定した勾配が全て無効になる)
ここまで屋根スラブの描き方を説明してきましたが、実際に住宅などの図面を作成
する時は、流線型の連続など、屋根の形状が複雑であったりする場合も多くあります。
そのような場合も、ポリラインから作成するのが最も便利です。CAD上では局面分割
などのAEC 表示解像度設定で局面の滑らかさをより鮮明に設定でき、エッジの部分を
構成する各セグメントも屋根スラブ全体で単一扱いされているため、屋根スラブ全体
で円弧にあまり不自然さを感じません。また、Auto CAD 2007以降では特に、細部
まで寸法設定を行うことができるようになりました。
一方、CADでは投影モードを使用してポリラインをスラブに変換することもできます。
この場合、ポリラインを選択して投影モードから基準高さを入力することで勾配を編集うることができます。ちなみに、スラブ上面を基準とする場合コマンドに「t」、スラブ中心を基準とする場合コマンドに「c」とそれぞれ最初に入力します。
作成した屋根スラブの編集方法
ここからは、実際に作成した屋根スラブの寸法を調整して、別の現場などで活用できるようにする応用法について説明してゆきます。
・屋根の勾配を変えたい場合
対象の屋根を選択し、コマンドにp と入力します。すると、スラブまたは屋根スラブの基準高さを指定するプロンプトが表示されます。ここで、挿入点の座標を打ち込むと屋根の勾配を変化させることができます。(ポリラインの最初の頂点における X、Y座標が基準高さのZ値に投影されるため、勾配角を変化させることができます)