実は身近な製品で使用される3Dcadデータの紹介
3Dcadが本格的に普及して20年程度経過しますが、私たちが普段生活する上でかかせない家電製品や自動車等、様々な製品の設計に3Dcadは使用されています。ここでは、私たちの身近にあるいろんな製品毎にどのような3Dcadの使われ方をしているか解説します。
目次
自動車の設計
自動車パーツの設計には本当に多くの3Dcadデータが使用されています。代表的なものは以下のとおりです。
ボディ:3Dcadデータによって形状を決定し、運転中の空気の流れによる抵抗等の流体解析に使用される
シャシ:自動車の骨格となるフレームのことを差し、3Dcadデータから強度解析に使用される
エンジン:3Dcadデータから熱解析等に使用される
家電製品の設計
家電製品でも多くの製品に3Dcadデータが使用されており、逆に3Dcadデータを使用していない製品はないと言っても過言ではないのではないでしょうか。ドライヤーを例に挙げて、製品の中に使用されている3Dデータを説明します。
まずは、ボディです。ボティというと外観・見た目をイメージすると思います。もちろん設計者やデザイナーの方が見た目の形状確認のために3Dcadデータを使用します。それ以外にも以下の項目データで使用されます。
ボティを形成する部品の組み立て性の確認:ご家庭にあるドライヤーのボティを見て頂いたらわかりますが、ボディは数種類のパーツから形成されており、数か所の継ぎ目があります。その一つ一つが製品の組み立て段階で干渉せず、問題なく組み立てできるか確認するために3Dcadデータが使用されます。
ボディを形成するパーツの金型製作:ドライヤーのボディの材質は、樹脂で作られていますが、その部品は金型という金属の模型に熱した樹脂を流し込んで製作されています。金型の製作における3Dcadデータや樹脂を流し込むときの流体解析に使用されます。
次にドライヤーの内部です。ドライヤーの内部は大きく分けるとインペラと呼ばれる羽根車とコイルのような熱源から形成されます。インペラで風をコイルに送風し、熱をドライヤーから外部に送り出します。
インペラ:インペラとはプロペラのようなもので、水や空気を送風するために用いられるものですが、インペラの形状を決定するための流体解析に3Dcadデータが使用されます。
コイル:インペラで送風された空気がコイルにあたることで熱風がドライヤーの外部に出てきますが、ドライヤーの出口付近ではどのくらいの温度になっているか確認するための熱解析に使用されます。
建物の設計
東日本大震災や熊本地震は記憶に新しいですが、最近、建物の耐震強度というワードを多く耳にするようになりました。普通の住宅を建築する上でも数種類の耐震等級が設定されており、その耐震強度の計算をするために3Dcadデータを使用します。また、外観イメージや内装の3Dcadデータを作成して建築開始前に確認します。
意外と身近にある3Dcadデータ
私たちが普段生活する上で3Dcadデータを意識することはほとんどありませんが、身の回りの製品で3Dcadデータを使用されていない製品はほとんど無く、あらゆる産業・分野で3Dcadデータが活用されていることが分かっていただけたと思います。3Dcadを用いた設計の仕事に携わりたい方等は、普段使用する製品に目を当てて、どのような場面で3Dcadデータが使用されているか考えるのも良いのではないでしょうか。