CADで注意が必要な機械製図のルール
CADソフトを使って仕事をしている人であればソフトの操作方法だけでなく、図面作成を行う対象物への知識も持つことでより質の高いものを完成させることができます。見て分かりやすい図面を作るためにはこうした機械等への知識が必要ですが、製図のルールを共通させることで見やすさを向上させることも大切です。
目次
製図にルールを作る必要性
機械を設計し、誰でも何度でも同じものが再現できるようにするためには正しい製図を行う必要がりあます。図面の寸法にミスがあれば想像したものと違った形になってしまうことや、そもそも組み立てが不可能になってしまうことも考えられます。図面を見ただけでどのような形状の機械でどんな大きさなのかといった情報が得られるのは最低条件となります。しかし実用性をさらに上げようと考えたとき、正しい図面を描くだけでは不十分になってきます。最終的な完成品としては同じものができても、人それぞれに異なる図面の書き方をしていては解読に時間がかかってしまいます。また、必要以上に情報を盛り込み過ぎて見にくくなってしまうことなども起こり得ます。そのため製図の共通したルールを守ることで誰もがすぐに理解できる図面を描くことが可能になります。
寸法記入に注意
特に注意が必要なことは寸法の記入方法です。寸法記入のルールに対するミスには気づきにくいことからよく起こります。
2重記入は避ける
製図初心者がしがちなミスの一つとして、同じ寸法を二回記入してしまうといったことが挙げられます。機械設計では非常に複雑な製図をすることがあります。そのためできるだけ最小限の情報で図面を完成させなくてはなりません。寸法を二回記入してしまうとそれだけ情報量が増えてしまい複雑さが増すことになります。
算出できる寸法も書かない
単純な計算で寸法が出せる場合などにはわざわざ書く必要がありません。それでも便宜上寸法を記入しておきたいこともあるので、その場合にはカッコ付きで参考寸法を記入すると良いでしょう。図面の表現方法として第三角法がよく採用されています。これは各面から物を覗いたときに見える面のみをいくつか並べ、全体として単純化している表記法です。正面からの図、側面からの図、上からの図といった具合に図を並べることになります。そのどれかで記入済みの寸法については別の側面であっても表記する必要はないので注意しましょう。
寸法の配置はまとめる
寸法の重複は避けてできるだけシンプルに記入することが大切ですが、配置の仕方を工夫するだけでも見た目の印象は変えることができます。正面図のように物体のメインの面となる図に寸法も集中させることでみやすくなります。また、描いた形状の外に配置するようにしましょう。寸法線と形状線が重なり過ぎると複雑に見えてしまいます。
寸法線の重なりにも注意
図の形状内に寸法を記入しないということとも共通しますが、寸法線同士の重なりにも配慮しましょう。
親切心を持って機械製図することが大切
寸法記入は小さなミスですが他者が見たとき、そこからさらに小さなミスが発生する可能性が出てきます。これが重なって重大な問題とならないためにも、できるだけ見やすい図面作成を心がけましょう。