〔AutoCAD〕38. ByLayer
【ByLayerとは】
色や線の太さ、線種を選んでいると、「ByLayer」という表示がありますよね。下の図はドッキングツールバーの「オブジェクトプロパティ管理」で色・線種・線の太さが選択できます。
※もう一つ下に「ByBlock」もありますが、これはブロック機能を使用するときのものなので、説明は省きます。ブロック使用時以外は使うことはありません。
【ByLayerを使う】
「ByLayer」は直訳すると「レイヤーに従う」ですが、まさにその通りです。画層を作成したときに、色や線の太さ、線種の設定をしていますか?
たとえば「柱」という画層を作成して画層のredを赤に設定します。上図①の正方形は色コントロールを「ByLayer」にしています。②は色コントロールを「Yellow」にしています。このように画層で設定した色を使用したい時は「ByLayer」を、単独で色をつけたい時は色コントロールで色を指定します。
ただ、色コントロールの方が優先されるので、色コントロールで色を指定しているオブジェクトは、画層の色を変更しても反映されませんので注意してください。
たまに画層の色設定はせず全部の画層が「white」のままで、色コントロールでオブジェクトひとつずつに色をつけている図面を見る事があります。これはAutoCAD以外のソフトを使用していたデータなどでよくみますが、他のソフトでは色で印刷したときの線の太さが設定されているものもあります。
たとえば、建築図の断面図で床をかきたいとき、2本の線ではかけませんよね。躯体・フローリング・合板・下地と何重にも重なっている線をかかなければなりません。それぞれの線の太さも同じではありません。そんな時に「床-躯体」「床-フローリング」「床-合板」…といった画層をそれぞれ作成するのも大変ですね。
最初のうちは一つずつ画層をつくるのも分かりやすいですが、慣れてきたら画層が多くなってしまうのでそれぞれのオブジェクトに色の指定をするといった方法をとる方もいます。
どちらがベストとはいちがいに言えないので、それぞれの会社のルールを守りながらやりやすい方法で作図していけばいいと思います。
線種や線の太さも同じです。中心線は画層で「一点鎖線」、補助線は「点線」などに設定しておくと便利です。
私はオブジェクトの色でどのレイヤーに属しているかを判断することが多いので、画層で色を設定して色コントロールと線の太さコントロールは「ByLayer」にしています。線種コントロールは中心線や補助線以外は画層で設定して、その他は「ByLayer」で線種コントロールで設定することが多いですね。