CADで曲線を描く方法とコツ
CADで作図操作をおこなってゆくうえで欠かせないものとして、線分や図形を場面に応じて適切に使い分けることが挙げられます。特に、曲線は様々な形状の図形・線分が存在し、いかにうまく使い分けるかで作業効率をアップできるかが変わってくるといえます。
そこで、CADで使用できる曲線について説明してゆきます。
CAD上での曲線の種類
CAD上で存在する曲線の種類および、それぞれの役割を説明してゆきます。
・円:曲線を代表する図形で、中心からの距離がどこも同じ丸上の図形を指します。特徴として、始点と終着点が一致している点が挙げられます。
CADでは「円」のアイコンを選択して作図しますが、作図方法を以下に示します。
・中心を指定して半径の値を記入する。
・始点と終着点を指定して直径の値を記入する。
・始点と終着点を選択し、中継点を一ヶ所定義する。
・円弧:曲がりくねった線分のことを指します。円との違いとして、始点と終着点が一致していない点が挙げられます。(両点が一致しているのが円です)
作図方法として、「円弧」アイコンを選択し、任意の3点以上を指定することで
円弧の作成ができます。
・楕円:円状の図形ですが、中心点からの距離が一定でない点が円との違いです。楕円作成時のポイントとして、中心軸からの距離が短い方と長い方を定義分けすることが挙げられます。ここで、長い軸を「主軸」・短い軸を「副軸」と呼びます。
CADでの楕円作図方法
・「楕円」のアイコンを選択し、中心点を指定する。
・主軸、副軸それぞれの長さを入力する
・ドーナツ:ドーナツは、その名の通り真ん中が空洞となった円のことを呼びます。
画面上では、タイヤやベアリングなど中心部が空いた部品や製品のオブジェクトを表現するのに使用され、CADでは塗りつぶされたリングや円として表示されます。また、オブジェクトとしては閉じたポリラインに該当します。
・ポリライン:ポリラインとは、直線や円弧など複数のセグメント(始点と終着点が別に指定されている要素)を組み合わせたオブジェクトのことを指します。
ポリラインの特徴として、円弧の曲率調整など、セグメント単体では編集できなかった機能が使えるようになる点が挙げられます。これらの機能をうまく活用すれば、複雑な形状のオブジェクトを簡単に作成できる可能性が考えられます。
・スプライン:スプラインは、曲線の形状に影響する一連の点又は点の近くを通る滑らかな曲線のことを呼びます。ここで、スプライン作成に関与する点のことを「制御点」か「フィット点」と呼びます。スプラインの特徴として、定義させるフィット点の数によって曲線の形状を調節することができます。
この特徴を生かして、数学の多項式曲線などを作成するのに利用されています。
・らせん:CADにおいて、らせんは2次元または3次元の開いた渦巻きを指します。この図形は、オブジェクトをスイープして図形のイメージを作成するための手法として利用されています。例えば、らせんはその形状からバネやネジといった機械部品などのモデル作成に利用されます。
主な作図方法は、下記の通りです。
・「らせん」アイコンを選択し、底面の中心点を指定する。
・底面の半径値を入力し、傾斜角度を定義する。(らせんの傾きを定義できます)
・らせんの高さ又は旋回数を設定し、3次元方向の大きさを決める。