縮尺と尺度変更の考え方

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縮尺と尺度変更の考え方

CADは仮想空間なので、どんな大きなモノも小さなモノも、自由に描くことができます。基本的に、作図の際は原尺(その大きさのまま)で描いていきます。

作図が終わり、データを加工のために使用する際に、CADデータのままで渡すことができればよいのですが、「図面」として提出しなくてはならないときに、「縮尺」という考え方に向き合う必要があります。

尺度変更のコマンドは、コピーアイコンを展開した中にあります。図形を選択し、拡大縮小する倍率をコマンドウィンドウに入力します。
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目次

用紙のサイズ

図面に用いる用紙は、A列サイズを使用します。最大のものでA0ですが、現状ではA0はほぼ使われることはないようです。A0から長辺を半分にカットしていくごとにA1、A2、A3、A4と小さくなっていきます。よく使われるのはA3の(420×297)、A4の(297×210)です。A4のサイズを覚えておくと、他のサイズも短辺を2倍することで導くことができます。用紙サイズから内側に10㎜(A2~A4)または20㎜(A0、A1)の余白部分が必要です。

現尺・縮尺・倍尺の考え方

縮尺には、等倍の「現尺」、縮小する「縮尺」、拡大する「倍尺」があります。

≪現尺≫ちょうどいいサイズをA4に入れたい場合(例:スマートフォン)

スマートフォンを本物の大きさで作図します。(縦14㎝×横6.5㎝)→(140㎜×65㎜)

A4縦向き(210×297)でちょうどよさそうです。この場合は「1:1」で現尺のままです。

≪縮尺≫大型機械をA4用紙に入れたい場合(例:トラック)

トラックは本物の大きさを指定して作図します。(全長5m×全高3m)→(5000㎜×3000㎜)(※横向きのみ作図するとします。)

作図終了後、A4の用紙枠を横印刷でトラックが入るサイズに尺度変更します。

用紙は横向きなので(297×210)です。10倍では(2970×2100)ですが、20倍で(5940×4200)となり、なんとか納まりそうです。

用紙の大きさを20倍に変更したので、実際のA4用紙に印刷するときは20分の1にすれば、つじつまを合わせられます。つまり、印刷時のトラックの縮尺は20分の1になっています。図枠の尺度欄にも、印刷時の縮尺「1:20」を記入します。(※昔の図面だと、1/20のように分数表記のものもありますが、現在では1:20という表記になっています。)

≪倍尺≫極小の部品をA4用紙に入れたい場合(例:眼鏡のネジ)

眼鏡のネジを本物の大きさで作図します。(ネジ頭2.5㎜×長さ5㎜)→そのまま(2.5㎜×5㎜)

A4縦向き(210×297)として、1/20で(10.5×14.85)となり、サイズが合ってきました。

用紙の大きさを1/20に変更したので、実際のA4用紙に印刷するときは20倍にすればよいです。眼鏡のネジの尺度は20倍として「20:1」と記入します。

推奨尺度

上記のようにトラックや眼鏡のネジではざっくり「1:20」、「20:1」としましたが、もう少し適切な尺度にしたいと思うかもしれません。

実は、尺度にもJIS規格があり、推奨された尺度というものが存在しています。そのためベストな尺度であっても図面製図としてはイマイチ、ということもあり得ます。どの程度融通がきくのかは企業によっても違いますので、現場の慣習に従うのがよいでしょう。

倍尺(1)

2:1、5:1、10:1、20:1、50:1
倍尺(2) √2:1 2.5√2:1 100:1
縮尺(1) 1:2、(1:3)、(1:4)、1:5、1:10、1:20、1:50
縮尺(2) 1:√2 1:2.5 1:2√2 1:3 1:4 1:5√2 1:25 1:250

元の図面が原寸でない場合

既存図面の修正で、データを開いてみたら“ 図枠が用紙サイズのままで、モデルが拡大縮小してある ”ということもあるでしょう。その場合、ややこしいのは実物寸法とデータ上の寸法のすり合わせです。寸法の表記はプロパティの「文字上書き」の欄で操作できますので、寸法が原寸大になっていても、もう一度測って確認しましょう。

例えば、先ほどの眼鏡のネジが、モデルを測ってみたら現尺から23倍の大きさであったとします。その場合は、周囲に確認の上で、図枠ごと図面すべてを1/23にして原尺にしておくのがよいかと思います。
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