フリーソフトで機械設計3次元CADに踏み出そう
これまでの私が書いてきた記事では、DraftSightを使ったCAD操作について解説してきました。
DraftSightは無償ソフトですが、AutoCADと同等の機能が備わっており、企業においても導入しているところがあるほどです。
2次元のCAD操作になれたら、次にステップアップとして、3次元のCAD操作を勉強してみたいですね!
そこで、3次元の考え方と、お勧めできる3次元CADのフリーソフトについて紹介したいと思います。
目次
おススメできる3DCADのフリーソフト
123D Design
AutoCADを作っているオートデスク社のフリーソフトです。Windows、Macに対応しています。
基本的な3DCADの操作が簡単に行えます。解説書籍や動画も多く存在しているため、独学するにも適しているでしょう。
SolidWorksやInventorといった本格的な3DCADは、スクールで学習しようとすると20万円以上はかかります。まずは3Dの感覚をつかむのにはもってこいのフリーソフトです。
そもそも3次元とは?
これまで2次元CADで描いてきた図面は、モノを平面で捉えて第三角法という方法で表現しています。これを3次元にするには、立体方向に厚みを持たせることが必要です。
立体方向「Z軸」
2次元ではX、Y方向のみでしたが、3次元ではZ軸というものが登場します。
PCの画面で例えていうと、画面上から自分の方(もしくは画面の裏側に向かって)に飛び出てくることが立体です。この「自分の方」というのがZ軸になります。
3次元CADで図形の加工をする際は、どの軸を基点にするかということを考える必要があります。図形によってはX、Y軸方向に厚みを持たせて形成する場合もあり、そのようなときは軸の切り替えをする必要があります。
3次元の表現方法
ワイヤーフレーム・・・骨組みのみ
サーフェイス・・・段ボールのような状態(面)
ソリッド・・・中身の詰まった状態の立体(サイコロのイメージ)
厚みを持たせる方法
立体として厚みを持たせるには、いくつかのやり方があります。
押し出す
四角形を立方体に、円を円柱に、といった具合に、2次元の図形を立体方向に押し出します。
この時に気を付けなくてはいけないこととして、図形が「バラバラか」、「一体化しているか」という点があります。
2次元で「四角」の形であっても4つの線分が90度に並んでいるだけでは、押し出しても4つの「面」ができるだけです。そのため、立体化する図形は「閉じた」(一体化していることを表す表現)図形にしておく必要があります。
3D基本形状(プリミティブ)
球、円錐、直方体などの基本的な3次元図形はもともとCADに備わっています。大きさ、長さなどの指定をして作成し、利用します。
スイープ(掃引)
ガイドとなる曲線に沿って2次元の図形を押し出すことで立体を作成します。
回転(REVOLVE)
軸を中心に2次元の図形(断面図)を回転させることで立体を作成します。
3D図形の合成
基本的な図形や、押し出したり、スイープして立体化するだけでは、複雑な形を作ることができません。そこで、立体の図形同士を足したり、引いたり、重なった部分を残すといったやり方で様々な形を作ることができます。
和(UNION)・・・複数の立体図形を結合して合成する
差(SUBTRACT)・・・主となる図形から別の図形の形を除去する
交差(INTERSECT)・・・重なっている図形の共通部分のみを残す
材料の質感(マテリアル)
3Dの特徴として、見た目に変化をつけられます。木目をつけたり、ガラス状にすかしたり、金属の光沢をつけたりすることが可能です。
機械設計では、部品の立体作成から組み立て・結合を行いますが、基本的な3DCADの考え方が理解できていれば、操作は繰り返すことで習得ができるでしょう。ぜひ一歩先のステージへ踏み出してみてください。