有料CADソフトのライセンスごとの違い
CADソフトには、JW のようにネット上で無償配布されているものの他に、DWGやT-fas など有償ソフトがあります。これらの有償ソフトは、著作権保護や複数のパソコンでの使い回しを防ぐためにソフトごとにライセンス設定がされています。そこで、CAD でのライセンスについて説明させていただきます。
(オートデスク社が開発したDWG の場合を例に挙げて説明します)
目次
ライセンスの形式
オートデスク製ソフトウェアのライセンス形態は、大きく分けて「サブスクリプション」と「保守プラン」の二種類に分けられます。
まずサブスクリプションの場合、ライセンスIDは使用者個人に割り当てられ、他のユーザが共有できないようになっています。ちなみに、法人契約した場合、契約した法人の管理者がライセンスを割り当てる従業員を指定できます。(ただし、1名のみ)
サブスクリプション契約では、契約者の予算や事業でのCADのニーズに合わせて契約期間を1カ月から複数年と幅広く用意されており、試験的なCADソフトの導入を検討している顧客に向いています。
一方の保守プランでは、法人契約した法人内であれば従業員内で使用することができます。また、保守プランでは契約を解消しない限りソフトウェアのライセンスを常時最新版に維持することが可能です。このことから、機械・建設業界など業務上CAD 操作が欠かせない組織では保守プランが向いているといえます。
ソフトウェアのインストール方法
インストール方法は、個人契約と法人契約した場合で異なります。
まず個人契約の場合について説明します。サブスクリプションでは、ユーザ1名を指定して固有のIDを契約者に割り当てられます。そして、IDを割り当てられたユーザはインターネットアクセスを行ったうえでソフトウェア認証を行います。一方、保守プランの場合、1台のコンピュータに対してライセンスが与えられます。インストールはもちろん、ネットワークを利用して別のパソコンからアクセスすること自体が契約違反となるため、注意が必要となります。
次に、法人契約した場合について説明します。まずサブスクリプションの場合、法人が
管理するサーバコンピュータにソフトウェアをインストールします。そして、インストールしたのと同じ数のパソコンに対してアクセス権が与えられます。(契約期間の間アクセス権が与えられます)
一方、保守プランの場合は永久アクセス権が与えられます。インストール方法自体はサブスクリプションと同様、サーバコンピュータへのインストールとなり、アクセス権はインストールしたのと同じ数のパソコンに対して与えられます。
ライセンスの提供形態
オートデスクでは、これまでは媒体メディア形式でソフトウェアのライセンスを販売していましたが、2016年2月から電子納品(ダウンロード) 方式に完全移行しました。
現在ではオートデスク社のサイトからソフトウェアをダウンロードしてライセンス契約を行う方式ですが、有償で媒体メディアでのソフトウェア提供にも応じています。
購入の際は、法人契約の場合「会社名、管理担当者名」、個人契約では「契約者の名前」に加えて契約者の住所、メールアドレス、連絡先、ソフトウェアのシリアル番号と契約番号の提出が求められます。これらをふまえてライセンスが与えられるようになります。