CAD での地図活用

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CAD での地図活用

近年、CADソフトは様々なオブジェクトのモデルを表示するのに利用されています。

その中の一つに、国土地理院が発行している地形図が挙げられます。そこで、今回はCADで地形図を操作できるソフトについて「VectorMapMaker」を例に挙げて説明させていただきます。

 VectorMapMaker について

まず、VectorMapMaker について説明してゆきます。VectorMapMaker とは国土地理院が発行している地形図をCADで扱えるよう編集したソフトウェアで、国土交通省・国土地理院・National Geophysical Detecter が公表しているデータDXF形式で作成します。

ちなみに、VectorMapMaker の地図データは一つの都道府県あたり数GBの容量を使います。そのため、使用に際しては容量が十分大きいパソコンを準備するか外付けハードディスク(数TB) を事前に準備しておくことが必要となります。

(扱える地図データは、国土地理院が著作権を所有しております)

インストール方法としては、インターネットで「VectorMapMaker インストール」と検索すれば、大学の研究室など様々なサイトでダウンロードできるようになっています。ちなみに、国土地理院のサイトではVectorMapMaker のダウンロードができないので注意が必要です。各サイトでダウンロードの手順に入り、「vmm.zip」を解凍して生成されたVectorMapMaker フォルダを移動します。

(Windows 2000, XPではCドライブのプログラムデータ内にフォルダを作成して保存します。一方、Windows 7, 8, Vista ではCドライブのプログラムデータ内に移動します。もし、書き込みができない場合は書き込み可能なフォルダにデータを移動してください)

VectorMapMaker フォルダをパソコンに保存した後、VectorMapMaker.exe を起動して画面左下の「国土地理院 地図データダウンロード」のタブをクリックします。IDとパスワードを入力するとダウンロードするファイルの形式を聞かれるので、「基盤地図情報 縮尺レベル25000 JPGIS(GML)形式」を選択し、描画したい都道府県の欄をチェックして「次に」を選択します。するとダウンロードファイルのリストが表示されるので、「ダウンロード」をクリックしてVectorMapMaker¥地理院データ¥25000 に保存します。必要なデータをダウンロードしたらVectorMapMaker に戻り、「データの解凍」をクリックするとXmlUnZip が起動します。そこで、「開始」を選択するとデータが解凍されて操作ができるようになります。データの解凍が完了したら、再びVectorMapMaker.exe を起動して地理院データフォルダ・書込フォルダ・地図名・座標系・描画範囲といった詳細の設定を行い「処理開始」を選択します。(処理するデータの量により、数十秒から数時間要します)

 VectorMapMaker でできること

VectorMapMakerでは、地形図の閲覧はもちろんですが、描画範囲や地形図の特徴である等高線や標高の設定を編集することができます。

まず地形図の閲覧について、前の章で説明した手順に従って進めてゆき、正常にデータ処理が完了すると「地図を開きますか」のアイコンが表示されます。そこで「Y」を選択するとCADが開き地図が表示されます。(CADソフトについては、DXF データを開けるものであれば問題ありませんが、等高線など地図データの編集を考慮するとAutoCADかそれと同等以上の性能のソフトが推奨されます)

一方、VectorMapMakerでは標高メッシュの設定を変えることで、等高線の幅を変えて地形図を表示することができます。そのため、地形図の一部をピンポイントで細かく表示した地形図の描画や広域標高解析を行うことができます。また、これらを応用して地形解析を行い、津波や高波が発生した際の浸水範囲を描画することで、災害時のハザードマップ作成に役立てることができるものと考えられます。