CADのグラッフィクボードのおすすめと選び方
3D CADでモデルの描画を行うにあたり、作業効率を左右する要素としてCADが操作性に優れている点が挙げられます。そこで、今回は3D CADの操作速度に大きく影響するグラフィックボードについて説明してゆきます。
グラフィックボードとは
グラフィックボードとは、ディスプレイに画像を綺麗に映し出す役割を果たす部品であり、パソコンで重要な役割を担う部品です。特に、映画鑑賞やゲーム、3D CADでの製図ソフトで描画を行う場合にこの役割が重要となってきます。
グラフィックボードなしでもディスプレイ上に映像を映し出すことはできます。ただ、3次元グラフィックスの作業や高画質の映像を見る場合など、画像解析度や発色数、描画速度を向上させる必要がある際は、通常パソコンに搭載されているCPUだけでは容量不足となってしまいます。このような場面で、グラフィックボードが必要となり、グラフィックは3次元CADを用いて作図作業をするのに必須の部品といえます。
グラフィックボードの選び方
グラッフィクボードを選び分けるポイントについて説明します。グラフィックボードは、どのメーカの「GPU」を搭載しているかによって性能が大きく左右されます。
GPUとはグラフィックチップのことを指し、CPUがコンピュータ全体の頭脳であるのに対してGPUは画面表示機能の頭脳のような役割を果たします。
現在、全世界で製造されているGPUは、次の2種類ほどに絞り込まれています。
・NVDIA GeForce(ジーフォース) ・AMD RADEMON(レイディオン)
まず、GeForce(ジーフォース) はアメリカのNVDIA社が開発した製品のブランド名です。
同社はGPUの開発を手掛け始めた当初から開発スピードが速く、現在でも世界で最も普及しているGPUと言われています。GPU自身も廉価版から高性能なものまで幅広く揃っており、2次元・3次元両方において安定した性能を発揮します。元々はグラフィック分野に向けて製品を発売していましたが、最近は映像や動画の分野にも進出を進めております。
RADEMON(レイディオン)はアメリカの AMD社が開発している製品のブランド名です。元々は、カナダのATL Technologies社が開発を手掛けていましたが、2006年に同社がAMD社に買収されて製品の帰属権がAMD社に移行されました。
かつては映像や動画の性能が優れていましたが、最近ではGeForceに性能面で追いつかれつつあります。また、3次元の性能についてもGeForce に追いつかれつつあります。
しかし、同性能のGPUを安く購入することが出来る点がメリットとして挙げられます。
これらの点を踏まえ、グラフィックボードや3D CADの操作に慣れていない方はGeForce、ある程度の経験者で、価格帯を考慮したい方はRADEMONを選ぶことをお薦めします。
ここまで説明してきたように、3D CADを操作するにおいてはGPUが非常に重要な役割を担っており、ひいては搭載するグラフィックボードの性能によって3D CADの性能も大きく変わってくると考えられます。そこで、ここからは3D CADに搭載するグラフィックボードについて説明してゆきます。
グラフィックボードは、主に3D CADの描画に使われるOpenGLとゲームの描画で使われるDirectX に大別できます。このうち、3D CADの描画でよく使われるOpenGLに特化したグラフィックボードとして、NVIDIA社のQuadroシリーズが挙げられます。このグラフィックボードは3D CADや3D CGの描画に定評があり、グラフィックボードにおける世界的なシェアも確保しています。