CADで画層をフリーズさせて表示させる方法
CADでの作図をしてゆくにあたり、作成した図面(部品) に書き間違いがないか確認する図面チェックの作業が欠かせないと思います。その際、建築図などでは皆さんが携っているものとは直接的に関係がないオブジェクト(画層) も多く含まれており、図面チェックの際、直接関与している画層のみを表示できれば余計なストレスを減らし、作業スピードの向上にも貢献できると考えられます。そこで、今回はそのような場面で役に立つコマンドである「フリーズ」について説明してゆきます。(似た機能で「非表示」というものの有るため、両者の違いについても触れてゆきたいと思います)
CADでのフリーズの役割
フリーズは、CAD操作において主にモデル空間で作図した図面を表示したり印刷したりする場合に用いる機能です。CAD上で建築図や機械製品の製作図を作成して印刷したり作成したモデルを画面で表示する場合、モデルを仕上げてゆくにつれて様々なオブジェクトや画層がモデル内に保存されます。ただ、オブジェクトどうしの取合いを確認したり試作モデルを印刷したりする際、プロジェクトの進捗状況によっては、確認事項の趣旨とは関係のない画層が含まれている場合があり、これらの不必要な画層を画面(印刷) に表示しないようにできれば便利かと思います。そのような場合、該当する画層を画面に表示しない手段として「フリーズ」や「非表示」といったコマンドがあります。
このうち、非表示の場合はあくまで一時的に画層を画面から消しているといったニュアンスで、「画層選択表示を解除」という項目をクリックすると「非表示」機能がリセットされてしまいます。
一方、フリーズ機能を使った場合、先ほどの「画層選択表示を解除」をクリックしても、フリーズをかけている画層にはこの機能が適用されず、画面に表示されない状態を保持することが出来ます。さらに言えば、CADで「オブジェクトを全選択」というアイコンをクリックして、画層の表示/非表示を一括で変更する場合も、フリーズされた画層は選択対象から自動的に除外されます。
ここからは、AutoCAD を例に挙げて、選択したオブジェクトを含む画層をフリーズする操作手順を説明してゆきます。
・「設定」のタブをクリックして、ビューポート(V) およびブロック定義(B) を選択する
・ビューポートを選択した場合、ビューポートの設定が表示され、次のいずれかを選択してクリックする。
「フリーズ」:ビューポート内の全てのオブジェクトがフリーズされます
「現在のビューポートでフリーズ」:現在のビューポートのみでオブジェクトがフリーズされます
・ブロック定義を選択した場合、ブロック定義の設定が表示され、次のいずれかを選択してクリックする。
「ブロック」:選択したオブジェクトがブロックにネストされている場合、そのブロック を含む画層がフリーズされます。一方、選択したオブジェクトが外部参照 にネストされている場合、そのオブジェクトを含む画層がフリーズされます。
「図形」:選択したオブジェクトが外部参照またはブロックにネストされていた場合も、選択したオブジェクトを含む画層がフリーズされます。
「なし」:ブロックまたは外部参照を選択すると、選択したブロックや外部参照を含む画層がフリーズされます。