建築設備設計に適したCADソフト「CADWe’ll Tfas(ティーファス)」の概要
CADWe’ll Tfas(キャドウェルティーファス)は、株式会社ダイテックが販売している、建築設備設計に特化したCADソフトです。現在最新のバージョンは、CADWe’ll Tfas9となっています。
以前は、3次元機能を持っていないCADWe’ll CAPEもありましたが、2014年に販売が終了し、サポートは2019年3月末日に終了予定です。
CADWe’ll Tfasは、建築設備関連の部材や配線、配管、シンボルなどがすでに登録されているので、必要なものを選択するだけで線種などを設定する必要もなく描くことができるソフトです。2次元はもちろん、3次元にも対応しているので、3Dで確認しながら設計することが可能です。AutoCADとの互換性も良いため、建築設備業界で使われることが多いソフトです。今回は、最新のCADWe’ll Tfas9について説明します。
目次
CADWe’ll Tfas9(ティーファス)の5つの特徴
1.64ビット化により大容量の図面、データが重い図面の展開が可能
現在、「BIM」の普及により、建築設備図面を3Dで作業したり、受け渡しをする機会が増えています。BIMのデータは大規模物件になるとデータも相当な量になるため、作業するソフトによっては操作不能に陥る場面があります。64ビット化により大規模物件、大容量図面の取り込み、編集も可能になったようです。
2.2D図面で作図したオブジェクトをリアルタイムで3D表示することができる
2次元で描く画面と、3次元で描く画面を並べて表示し、2次元で作図した内容が即座に3次元側に反映されます。同様に3次元内で作図した内容は、2次元の図面に反映されます。自分の好きな視点から描けるため、直感的な作図が可能です。
3.技術計算機能の強化
建築設備の設計には様々な計算が必要となります。CADWe’ll Tfas9では「静圧計算」「揚程計算」の機能が増え、さらにExcelでの出力が可能です。
4.「シート基準高さ」機能を使うことによって断面・3D表示が可能
「シート基準高さ」機能をすることで、複数階の断面の表示や3D表示ができます。他の3Dソフトで設定された基準高さを、互換性のあるIFCデータを読み込む際に自動的に設定でき、また書き出しも可能なため、他ソフトとの連携が良いです。
5.データ互換の精度が良い
建設業界では、企業により使用しているCADが異なるため、互換性の良さは重要です。CADWe’ll Tfas9は、AutoCAD、3Dデータを含むDXFやjw-CADのデータ、SXFデータを高い精度で読み込むことができます。建築IFCデータ、設備IFCデータの読み込みが可能です。CADWe’ll Tfasで作成した設備データは、IFCや3D DWG/DXFに出力できます。建築CAD-設備CAD間の「BIM連携」で3次元総合図を作成し、建物全体の完成イメージの共有も可能です。
このように、建築設備に特化したCADソフトだからこその様々な機能が備わっているため、設計ツールとして使うことで大幅な作業時間の短縮になる可能性を持ったソフトです。