〔AutoCAD〕円や円弧を含んだオブジェクトの面積計算の方法
円や円弧、ポリライン単体のなすオブジェクトの面積を求めたい場合、「面積計算」コマンドを使用し、頂点を順に指定していくやり方では計測できません。コマンドオプションが必要となるため、ここではその方法を説明します。
円や円弧単体のオブジェクトの面積計算方法
円や円弧、ポリライン単体のなす面積を求める方法は、「面積計算」コマンドの中のオプション「オブジェクト(O)」を選択します。選択するとオブジェクトの選択モードになりますので、面積を求めるオブジェクトを選択します。オブジェクトがポリラインの場合は、閉じている必要はありません。
円弧で作成されているオブジェクトの面積は計算できないため、はじめに「ポリライン編集(peditもしくはpe)」コマンドでポリラインに変換しておく必要があります。ダイナミック入力と、コマンドウィンドウがオンになっているときにオブジェクトを選択した場合、マウスポインタのツールチップに指示したオブジェクトの「面積」と「長さ」が表示されます。
「面積」は、そのオブジェクトが閉じてない場合でも、閉じていると判断されて計算されますが、「長さ」は「周長」ではないため、閉じた周長ではなく、ポリラインそのものの長さとなります。
オブジェクト単体の面積を求める場合は、面積計算コマンドを使うよりも簡単な方法があります。「オブジェクトプロパティ管理(Ctrl+1またはpropatiesもしくはprと入力)」コマンドで表示されるプロパティパネルを確認します。この方法では、円や円弧をポリラインに変換する必要もありません。オブジェクトプロパティ管理は、オブジェクトを選択した状態で、右クリックし実行することも可能です。
計測したい範囲の一部に円弧や円がある場合の面積計算
直線と円や円弧が含まれて構成されているオブジェクトや、範囲の面積計算には、コマンドオプション「加算モード(A)」を選択します。この場合も、円弧をポリラインに変更する必要があります。
オプションを選択した後、範囲の直線部分の各頂点を、通常のコマンド操作と同様マウスクリックで指示していきます。この時、円弧は一本の直線と考え端点だけを指示していきます。コマンドラインもしくはツールチップの表示の末尾に「(加算モード):」と表示されますので、コマンドオプションを選択していることがわかります。
このように円弧ポリラインをないものとして範囲指定し、Enterキーもしくはスペース、右クリックで範囲指定を一度終了します。そうすると、範囲の「面積」「長さ」「総面積」が表示され、引き続き面積計算の範囲指定の状態となります。コマンドラインには、コーナーの1点目を指定 または 〔オブジェクト(O)/減算モード(S)〕:と表示されていますので、先ほど範囲指定しなかった部分の円弧ポリラインをオプション「オブジェクト(O)」で指定します。これで新たに範囲した部分の面積が加算されます。
領域内に食い込んでる円弧ポリラインは、オプション「減算モード(S)」を選択し、さらにオプション「オブジェクト(O)」を選択して、円弧ポリラインを選択します。これを繰り返し、最終的に表示された面積が「総面積」となります。