AutoCADでの作業を高速化させるには
作図する業務では正確さとスピードが求められます。納期までに間に合わせることが大前提ですし、早く仕上がればそ、の分確認する時間もとれれるためより正確な図面を完成させることに繋がります。もちろん技術を磨いていけば、よりスムーズに取り掛かることができますが、CADの動作自体の動きをよくするという方法だと、まだ経験のない初心者の方にも取りいれやすいです。是非、設定を変更しAutoCADの操作性をあげる工夫をしてみましょう。
目次
データそのものを軽くする
データが重いと、操作していくうちにフリーズしてしまったり、コマンドの起動に多少時間がかかったりすることがあります。
一番よく使う、データを軽くすることができるのが「PURGE」コマンドです。
どんな内容のコマンドかというと、図面上で使用されていないブロック、文字スタイル、線種、レイヤーなどを消してくれます。「すべて名前削除」という項目を、選択するまでクリックしましょう。いくつかのチェックボックスがありますが、「名前削除時にそれぞれの項目を確認」と次の項目にチェックが入っている場合はチェックを外し、「長さがゼロのジオメトリおよび空白の文字オブジェクトを名前削除」にチェックを入れて実行するのが望ましいです。
システム変数の設定を変更
AutoCADには、「システム変数」という、作業上の設定が存在しています。操作を良くするために設定できるようになっていますが、その内容によっては動作を遅くしているものもあります。動作を早くすることを目的とした場合、起動させなくすることで動作のスピードアップが可能です。
システム変数「REGENAUTO」
円や円弧を含むオブジェクトや図面全体を表示するとき、レイアウト空間に移動してビューポートを表示する際に正しく表現されるように、AutoCADは毎回「再作図」をしています。こちらは操作するうえで必要な動作なのですが、データ量が多い図面、例えば地図や等高線が入った図面は再作図するたびにフリーズしてしまうことがあります。そのような場合に、動き出すまで待っていると時間のロスになりますので、一時的にオフにするのも有効な手段です。キー入力で「REGENAUTO」と入力しコマンドを実行します。
設定内容は下記のとおりです。
ON:再作図を自動的に行う
OFF:手動で再作図を行うまで再作図されない
手動で再作図というのはコマンド「REGEN」もしくは「REGENALL」を使用した場合です。
システム変数「HIGHLIGHT」、「SELECTIONPREVIEW」
オブジェクトを選択すると、青白く光るような表示に変わると思います。そのハイライト表示をオフにすることができます。データの内容にボリュームがある場合、少しでも画面上で変化が起こる動作をなくすことで、AutoCADのパフォーマンスが向上します。「HIGHLIGHT」コマンドを実行したあと、「0:ハイライトしない」「1:ハイライトする」で設定可能です。しかし、操作したくないオブジェクトも気付かず操作してしまう可能性があるため、修正する作業をメインに行う場合はオンにしておいたほうが望ましいです。
似たような機能で「SELECTIONPREVIEW」があります。こちらはカーソルを合わせた場合にハイライトされます。「0:なし」「1:コマンド実行していない時に、プレビュー」「2:コマンド実行時、オブジェクト選択中プレビュー」「3:常にプレビュー」の中から設定可能です。こちらは0にしておいても操作ミスにはなりにくいです。