AutoCADでデータ容量を圧縮する方法
図面作成でAutoCADを使用している人も多くいると思います。設計図等を上手く描けるかどうかという問題の他、実務的に発生しやすい問題としてデータ容量に関することが挙げられます。完成した図面データが大きくて取引先への送信や、保存するときに困ることがあります。データを破損することなく管理していくにはデータ圧縮について適切な方法を知っておく必要があります。
目次
最も基本的な方法
AutoCADに限らず多くのデータはZIP等の形式で圧縮することができます。CADソフト外での操作となり、無料の圧縮ソフトなども活用することでスピーディーな作業が可能です。CADのデータ形式としてよく用いられるDXFはテキストファイルなのでこうしたデータ圧縮とは相性が良く、大幅な軽量化が期待できます。DWGなどのデータ形式も同様です。しかしAutoCADでは最新のバージョンになるほどオペレーター側が操作することなく自動で最小限の状態で保存されるようになってきています。そのため、古いバージョンではZIPファイルなどに圧縮することで大幅に軽量化できますが、バージョンによってそれほど圧縮率は高くならないかもしれません。
圧縮ファイルの問題点
ZIPやLZHといった圧縮ファイルに変換した場合、解凍した時にデータ破損が生じる可能性がないとは言えません。作成したデータはメールに添付して送信することもあり、非常に大きな容量のCADデータだと送れないことがあります。そこで圧縮ファイルにすることがありますが、安全にデータ利用していくにはどうすれば良いのでしょうか。実は実際のところ解凍後のデータ破損はそれほど起こることではありません。そのため厳重に対処する必要はありません。とは言っても何も対策しないわけにもいかないので、確認用としての意味も兼ねてPDFファイルも同時に送信することで安全対策になるでしょう。完全にファイルを開けないことよりも、データが誤変換されて開けてしまう方が問題となるのでこうした対策は有効的です。
PDFにすることも軽量化に繋がる
CADデータをPDF化するだけでも容量を小さくすることができます。PDFファイルにした場合オンラインサービスやPDF圧縮ソフトなどを使ってさらに容量を下げることができます。しかし大きなデメリットとして、編集ができなくなってしまいます。閲覧用とする場合に限ってこの手段を取ることが勧められます。
作図段階で余分な情報は除く
ここまでのデータ変換はCADソフトに依存しない基本的な軽量化の方法です。AutoCADで作図をしている場合には気づかないうちに容量を増量していることがあります。最も可能性が高い原因は無駄な情報の付着です。AutoCADでは、ある画層の中から必要な情報のみを表示して再利用できる機能があります。便利な機能ですが、このフィルタでは隠した画層データを完全に取り除くことはしていないため、隠れた部分についても容量が増えてしまいます。しかも表示されていないだけになぜか容量が膨張しているように感じてしまいます。ここからさらにコピペを繰り返していると膨張を繰り返すことになるので使い方には注意が必要です。データ容量を気にするときには必要な情報のみを切り取るようにしましょう。
余分な情報の除去と圧縮変換で軽量化を目指そう
圧縮ファイルにするのは簡単ですが破損には注意が必要です。AutoCADによる作図で生まれた余分なデータを探すには手間が必要ですが、こちらが本来すべき軽量化の手段であるとも言えます。