サーフェスを使った3D-CADの基本練習
CADオペレーターにも業務内容に幅があり、業界や製品そのものによって必要となる知識やスキルが変わってきます。平面図を普段扱っている場合には3D-CADの使用にあたって新たに学習する事も出てきます。より複雑な設計になることが多く、また、グラフィック的な要素も強くなってきます。まずは基本的な3Dモデルについて知ることから始めましょう。
目次
3つのモデル
3Dで物体を描く際、線と面、そして立体物を使用して形作っていきます。それぞれの要素を使ったモデルをワイヤーフレームモデル、サーフェスモデル、ソリッドモデルと呼びます。用途に合わせた使い方をしなくてはなりませんが、3Dで表現するには練習量が必要です。
ワイヤーフレームモデル
線の集まりで構成されるモデルです。しかし同じ線の集まりでも平面の設計図のようなものではなく、ある物体を骨組みだけで表現したものとなります。3Dモデルとしてワイヤーフレームのみで完結することはほぼありませんが、作業工程でワイヤーフレームはよく使われます。素早く描くことができ、基本的な構造をワイヤーフレームで確認することもできるので下書きの意味合いとしても用いられます。ワイヤーフレームモデルに肉付けをしていくことで現実に近い形にしていくことも可能です。線での表現であるため容量も少なく高速表示ができることも特徴です。
サーフェスモデル
これは面を使ったモデルです。ワイヤーフレームを使った場合と比べて複雑な形状まで表現できます。サーフェスを使えばほとんどの形状が表現でき、後述するソリッドに自動変換することで本物に近づけることができます。自動車のボディー部分は面の要素が強いためサーフェスモデルとして分かりやすく、よく例に用いられます。サーフェスは暑さが0として扱われるため中身はありません。体積や重心などの概念が存在しないため形状を表現するのみとなります。中身がないという点でもやはり自動車がサーフェスモデルを上手く表現できており、現実の自動車でも人が入れるよう中身が完全には詰まっていません。しかし本当の自動車のボディーには厚みがあるためあくまでもモデルの域を脱することはできません。
ソリッドモデル
中身の詰まった立体物のモデルです。重量の情報を付与することができ、体積、重心等の計算ができます。多くのソリッドモデルは単純な形状で、複雑な形にするにはサーフェスを応用する必要があります。シンプルな直方体や球体といったものが代表的なソリッドモデルです。
モデルの加工
上でワイヤーフレームモデルに肉付けをすると言ったように実際の業務ではこれらのモデルを加工していきます。そうすることで完成イメージに近づけていくことになります。加工するにも色々な方法があります。実際の設計においてはサーフェスによる形成をしてもソリッドに変換することになります。とは言っても自動車の中身を全て詰めるような単純な作業ではありません。基本パターンとしてはサーフェスに厚みを持たせるやり方、ソリッドをサーフェスに沿って削るやり方、そしてサーフェスで閉じた空間を作りソリッド変換するやり方があります。
2Dから3D、そして各モデルで練習を積む
3Dでのモデル作成は難しく経験を多く積む必要があります。まずは単純なものから作成し慣れていくと良いでしょう。