CADで機械設計をするための基礎知識
CADの登場により非常に簡単で効率的に機械設計ができるようになりました。それは設計図面の作成にかかる時間がコンピューターによって短縮されたからです。ソフトの操作ができれば作図ができるため専門知識をあまり持たない人でも簡単な業務であれば任されるようになりました。しかし複雑化する機械の製図までこなそうと考えるのであれば、製図の基礎からしっかりと身につける必要があります。
目次
第三角法とは
製図を行う人が第三角法を知らなければ何も話が進められません。また、単語として知っておかなければ会話についていけなくなってしまうのでここで再認識しておきましょう。現実にある立体物でも図面にすると2次元になってしまいます。3次元で表すことも可能ですが寸法など詳細に情報を得ようとしたときよく用いられるのが、2次元での表現の中でも第三角法という方法になります。立体感を無視しそれぞれの面から見える物体の見え方を図面として表します。そのため正面から見た正面図のみでは形状のイメージが掴みにくいですが、右側面、左側面、上下の面などそれぞれの図面を描くことで全体像が浮かぶようになっています。
線の使い分け
図面に使われる線にも色んな種類があります。表現したい内容によって使い分ける必要があるので確実に覚えておきましょう。「太線」や「細線」といった線の太さで区別するものや、「破線」や「一点鎖線」のような特殊な意味を持ったものまであります。太い実線は外形線に用いられます。物の形を表す最も基本的な線です。一方細い実線は寸法線などの補助的な役割を担っています。寸法線などは外形線や同じ寸法線同士と重なり合い過ぎないように配置していくことになります。細い破線はかくれ線という実際には見えていない部分の表現に使われます。例えば中が空洞の円筒の場合、側面から見るとただの長方形にしか見えませんが、かくれ線を使用することで空洞を表現することができます。細い一点鎖線はある基準を示すような場合、中心線などに使われます。これも形状のイメージが掴みやすいように追加される線となります。
寸法は最低限に
線で表現された図面が現実ではどのくらいの大きさになるのか、寸法を記入していくことで表現できます。しかし情報量の多い機械設計ではすべての線について寸法を記入していたのでは視認性が落ちてしまいます。異なる面の図であっても重複する線については記入しません。また、簡単に計算できる寸法についてもできるだけ記入はしないのが共通ルールです。
補助記号でシンプルに
寸法に補助記号を付けることでより情報を短縮して明快にすることができます。例えば円形の場合半径の寸法が必要になります。そのときその寸法地が半径を表していると示さなければなりません。日本語でこれをいちいち書いていると時間もかかってしまいます。半径であれば「R」を使用し、「R10」とすることで半径10㎜の円であることが瞬間的に理解できるようになります。
多くの機械図面を見るのも勉強になる
他にも必要な知識は多くあります。しかし全ての技術が必要になるかは物によって変わってきます。そこで似たような機械や部品についての図面を解読することを繰り返せば必要となる正しい製図の知識を入れることに繋がるでしょう。